【感想】天才が語るサヴァン、アスペルガー、共感覚の世界


目次



著者は、作家であり、言語学者であり、教師である、ダニエル・タメット氏。訳者は古谷美登里氏。

ダニエル・タメット氏は、2004年、円周率の暗唱でヨーロッパ記録を樹立。それがきっかけとなりTVドキュメンタリー『ブレインマン』が40か国以上で放送され、大きな話題を呼んだ。

自伝『Born on a Blue Day』は世界中でベストセラーになった。日本でも『ぼくには数字が風景に見える』として出版され好評を博す。


第1章『空より広い』
脳の短い歴史
脳の構造を変える
発作とサヴァン
マッチ棒を数える
数字と踊る
脳はどうやって学んでいるのか

第2章『脳を測る-知能と才能』
重さを量る-知能指数の歴史
人間を測るという過ち
複合的な知能
才能は遺伝か?

第3章『ないものを見る』
記憶の化学
もっとじょうずに覚える
デジャ・ヴュとその他の歪み
忘却

第4章『言葉の世界』
言語本能
言語の普遍性
第二言語を学ぶ
栄光する言語学習

第5章『数字本能』
だれもが計算する
さまざまな数の数え方
脳のなかの数字

第6章『独創性という現象』
創造の飛躍
内なる嵐
言語のビッグバン
自閉症の人々の創造性

第7章『視覚の不思議』
頭の中を見る
火星の色とインクの染み
器用な脳
絵画の心理学

第8章『思考の糧』
知識の原子
毛繕いとしてのゴシップ
生きている文学
みんなの意見
広告の攻撃
過剰な情報にうち勝つ

第9章『数学的な考え方』
現代統計学の状況
大当たりと投票箱
人はどうして理不尽なものを信じるのか
人口、預言、パターン
論理-考える科学

第10章『脳の未来』
天才キャップ
薬で脳を活性化する
脳の未来
人間の未来

感想


目次をサラッと読んだだけでも、興味深く、脳に関する面白い情報が、盛り沢山だという事が、お解り頂けるだろう。読み続けていると、頭がパンクしそうになるくらいだ(笑)

タイトルにあるように、ダニエル・タメット氏はアスペルガー症候群であり、ズバ抜けた記憶力を持つ天才と言われるサヴァン症候群である。

つまり発達障害と天才的才能を合わせ持つ、脳が部分的に小さいのと大きいのと、凸凹に発達した脳の持ち主という事である。


...しかし...


タイトルには書かれてないが、実は、脳疾患の難病『てんかん患者』でもあるのだ。つまり『覚醒シータ波』が、確実に出現する脳だということ。勿論それは、私の覚醒シータ波とは微妙に違い、病的だから脳疾患なのだが。

実は、ダニエル・タメット氏のように、脳疾患の難病てんかんと発達障害を合わせ持つパターンは少なくない。脳の状態としては、脳が部分的に小さいのは、どちらも同じなので、合わせ持つのもおかしくはない。


脳が部分的に大きい状態については、私と同じ状態なので、近い感覚を持つ可能性が高いと思った。現実的で冷静に自分の脳と向き合えていることから、そういう性格的な面でも、現実的な私と非常に似ている。

ダニエル・タメット氏は「宗教よりも哲学の方に興味を持ったタイプなのかもしれない」と推測することができる。この傾向は、多分、脳が部分的に大きいからこそなのかもしれない。前頭葉は普通サイズ~大きいのだろう。

前頭葉が小さければ疑う事なく、妄信的になったり、鬱になったりなどするので、宗教の方に興味を持つタイプとなる。


第1章『空より広い』発作とサヴァンの部分では、なんと、私が最も読みたかった内容が書かれてあった!どんな医師の本を読んでも、そういった内容は載っている事はなかったのに。思わぬ本で読めたので、これには驚いた。

私は発達障害でも、てんかん患者でもないが、『自分の脳波状態を知り、それによる不思議な状況を、現実的に理解している人物=同類』を、この本で発見できたのだから。

ただ...欲を言えば『健常者の成人で同類』ならば、もっと良い。さすがに稀なので、なかなか発見するのは難しいとは思うが...やはり発達障害のある無し、脳疾患の難病てんかんのある無しでは、それもまた大違いだと思うからだ。

日本には、同類はいなさそうだなとは思ってはいたが、やはり海外にはいたのだ。しかも天才に。その一部分を、少しだけ、ここに記録させてもらうことにする。

『脳の研究が進歩したことを示す格好の例が、てんかん-突然、たいていは短い時間だが、脳内に過剰な電気的負担がかかって起きる症状-の治療だ。

以前は超自然的な作用であるとか、月の満ち欠けに影響を受けるなどと思われていたてんかんは、今では薬で治療できるようになり、発作の70パーセントを抑えられるようになった。

将来は、地震や津波、ハリケーンといった複雑な自然現象を予測するコンピューターモデルを使った技術によって、てんかん患者の発作がいつ起きるかを予想することができるかもしれない。

アメリカ合衆国の研究者は、てんかんの発作を予測して予防するコンピューターのチップを脳に埋め込むことを考えている』



ねっ?私と同じような事を理解している。私が、このブログでしている体調記録というのは、まさにコレをしているのだ。地震予測、台風予測、てんかん発作予測と、私の体調記録により、広範囲に役立つ可能性があるということ。

勿論、そんな事は、とっくに知っていたから、311の震災以降、もう数年間も、この記録を続けているのだ。ぶっちゃけ、子供の頃から知っていたから(笑)

普通の人間の子供で、そんな事を知ってるなんて、あり得ないだろう。私だからこそ、あり得るのだ。ギフテッドの芸術バージョン、タレンテットの脳ともいえるので。


実は、この本、まだ半分も読めていない。今月の満月以降、新潟と山形で震度6強の大地震が発生したが、私はヤバイくらいの低血圧が続いており、夕方から夜になると疲れてしまい、読書すら出来ない状態だったのだ。

本日は、まだマシなので、こうして感想を残せているのだが...また全部、読み終わった後にでも、感想を追記し、再投稿させて頂くので、お楽しみに。


追記

やっと読み終えたので、追記の感想を残す。


私と同様に、サヴァンにも『絶対音感』がいることを知った。

絶対音感があると、共感覚もある傾向だったりするのだが、改めて少し絶対音感について調べてみたところ、面白い内容を発見した。

『生まれたばかりの赤ちゃんは、どちらの能力も備えている』そうだ!

しかし、脳が成長するにつれて、必要がなくなるので、その能力は失われていってしまうようだ。

だから絶対音感を持つ子供が、幼少期からピアノを習えば忘れにくいので、そのような能力を活かし続ける事が可能になり、上手くいけば天才ピアニストになれるわけだ。

勿論、普通の子と同様のピアノレッスンでは、絶対音感を失わせてしまう危険性がある。なので、絶対音感を活かした特別なレッスンが必要になるであろう。

算命学的にも、私には『胎児の星』がある。子供の頃からの脳波状態が、成人後にも継続している。まさに今は、赤ちゃん?(笑)


【天才キャップ(TMSキャップ)】


普通の人間にサヴァンに似た能力が生まれるキャップがあるようだ。しかし、その効果は数時間しか続かないらしい。

左前頭葉(論理と概念の思考をつかさどる部位)の活動を一時的に中断させると、サヴァンではない人間の脳でも、この特権的なアクセスができるようになり、サヴァンに似た能力をわずかな間、生じるらしい。

しかしダニエルは、これには問題があると言っているが。この方法では、高機能自閉症サヴァンの人が持つ特殊な創造性についての説明ができないと。

てんかんや統合失調症のような神経的症状の治療分野では、この技術に大きな期待を寄せているそうだ。実際、実験したところ、有望な成果が得られたようだ。


【ダニエルの言葉】


最後の方にあった言葉が、良かった。

『人と違っていることを自覚しているからこそ見えてくるものがあり、人と違っていないからこそ言えることがある』

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